赤ちゃんの湿疹(アトピー性皮膚炎)増加!

 身体に湿疹のある赤ちゃんが増えています。昔と違って食べものも豊富になり、食生活もずいぶん変化してきました。湿疹の原因として、それらの食物が関係している場合も多いように感じます。それも、まれに食べる物ではなく、いつも食べている物でおこります。例えば、鶏卵、牛乳、そして大豆が三大アレルゲン(アレルギーの原因物質)として有名です。最近では、米や小麦などの主食によるアレルギーも増えています。生まれたときから母乳だけを飲んでいる赤ちゃんにもアレルギーによる湿疹が見られます。お母さんのお腹にいる時に、お母さんがたくさん食べた卵や乳製品が、胎盤を通して赤ちゃんに伝わり、生まれながらに卵や牛乳のアレルギーを持って生まれてくるのです。お母さんの母乳には、お母さんの食べた卵や牛乳の成分が、少しの量ですが含まれています。アレルギーを持った赤ちゃんがその母乳を飲めば、当然アレルギー反応が起こり、症状としてまず湿疹が出てきます。普通は、顔から出て、首そして胸へと拡がります。外来へ来られた時、頬に少しだけ出たのを気にしておられるお母さん。顔から胸に拡がり、あわててやってこられるお母さんと色々ですが、子供を心配する気持ちに変わりはありません。           

 赤ちゃんの湿疹の治療     

 湿疹の程度によって、治療方針が違います。軽い場合は、弱いステロイド(副腎皮質ホルモン剤)軟膏や、ステロイドの入らない軟膏を使います。中程度の湿疹の時は、軟膏に加えて食事(除去)療法も併用します。食事療法を行なう場合、皮膚や血液でどんなもの(食物)にアレルギーがあるかを検査して、参考にします。湿疹が全身に及ぶ重症な場合は、軟膏、食事に加えて内服薬も使います。中程度で、かゆみが強い場合にも飲み薬を併用します。飲み薬には、アレルギー全般を押さえるものや、アレルギーの有るものを食べても反応が起こらないようにするものなどが有ります。どんな治療をするにしても湿疹は、慢性の病気です。あせらず子供の持つ自然の治癒力を信じながら上手にコントロールして行きましょう。湿疹の治療は、後に続く喘息を予防するためにも大切です。

 子供の病気一口メモ

 お父さん、お母さんの子育ての経験として、赤ちゃんが、夜間、泣き止まないで困ったことがあるのではないでしょうか。 3か月仙痛と言われ、お腹が痛いためでは?との説が一般的ですが、眠れぬ夜を過ごすことが、親としての自覚を呼びさますのに必要なのかもしれません。


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