こちらたまご応答ねがいます

 12月も半ばを過ぎてしまいました。忘年会もいくつか出ましたが、1年の締めくくりも、これで「良かったのかなー」と反省しながらのひとときでした。でも今年もいろいろな人たちとの出会いがありました。人との出会いが「一番の財産かな」と思う今日この頃です。自分も一生懸命やっているつもりだけど、「この人にはたちうち出来ないなー」ということもしばしばあります。尊敬の念と共に「私も見習いたい」という気持ちが湧いてきます。自分の出来ることは限られていると感じながらも、いつまでもあきらめの悪い私です。このようにしつこい私ですが、来年度もマンスリーニュースを遅れながらも続けたいと思っています。よろしくご愛読ください。
 さて、今月のマンスリーは「こちらたまご応答ねがいます」というタイトルです。何のこととお思いでしょうが、一度は見て欲しいDVDアニメのお話しです。

  小学五年生が妊娠

 小学校5年生が妊娠して出産するという漫画「コドモのコドモ」が映画化され話題になっています。新聞紙上でも時に未成年女子が不本意に妊娠して隠れて出産し、赤ちゃんが死亡したり、養子に出されたり、施設に預けられたりする悲劇が報道されています。性に対する興味は、年と共に低年令化し赤ちゃんの命が危険にさらされているのが現実です。映画では、子ども達が協力して、出産に至る経過が描かれ、「子どもの妊娠」という衝撃的な題材から、性と生命、家族、教育など様々なテーマを浮かび上がらせるとともに、子ども達のたくましさやしなやかさを瑞々しく描き出したというストーリーだそうですが(まだ観ていないのでパンフレットの受け売りです。)、現実にはそううまく行く場合だけではないでしょう。

  こちらたまご応答ねがいます

 「こちらたまご応答ねがいます」というビデオを中心になって作られたのは、今年の9月号のマンスリーニュースでお話しした「こうのとりのゆりかご」(通称:赤ちゃんポスト)を病院に設置された熊本の産婦人科医 慈恵病院理事長の蓮田太二先生です。先生の周囲で3件の赤ちゃんを捨てる事件が起きて、そのような悲劇が二度と起こらないよう、いろいろな事情で赤ちゃんを育てられないお母さんに、「お母さんの名前を言わないで、ここに赤ちゃんを預けても良いですよ」というスペースを病院の目立たない所に作られたのでした。1年間で17人の赤ちゃんが預けられたそうです。命拾いをした赤ちゃんは、養子や施設に預けられました。さらに「このような赤ちゃんが生まれないようにするにはどうしたら良いか」と考えられた先生は、「赤ちゃんがどうしたら出来るのか、赤ちゃんの命も自分の命と同じように大切なんだよ」というメッセージを小学生でも分かるようにやさしく伝えることだと思われ、たくさんの人たちの協力でこのDVDビデオが出来上がりました。賛同する人たちの寄附も集まり、熊本県内の小学校全てに無料で配布されたそうです。
 出来たら石川県でも、小学校4年生から6年生全員に見てもらいたいです。そんな素晴らしい出来映えのビデオです。
 ビデオの原作者ですが、岸 信子さんという昭和30年熊本県生まれのおばちゃんです。子どもさんが10人(七男三女)という12人家族です。夫婦ともに子ども好きで(当然でしょう)、家事と育児の一方、10人の子ども達が織りなすハッピーな日常を描いたエッセイや童話が多数入選しています。平成13年には、地元熊本で書き下ろしエッセイ「子育てってたのしいよ!」(熊本日日新聞社)、平成15年に「妊娠百ヶ月」(日本テレビ)を出版されています。テレビでも全国版や地方版で、幸せいっぱいのファミリーがたびたび紹介され、大きな反響を呼びました。そんなお母ちゃんが原作を書かれたんですから、本当に分かりやすいです。性教育を正確に、そしてさわやかに伝えてくれます。

  みんなに見てほしい

 このDVDを、小学生に限らずみんなに見てほしいです。10月からはピクチャーズネットワークという東京のビデオ制作会社で販売されています。値段は1万円です。「エー、1万円もするの」と叫ぶ声が聞こえます。確かに高いです。ですから皆でお金を出し合って、巡回して見ても良いですね。或いは事情が許せば、大きな会場で上映会をしても良いですね。100人ならば、会費は一人100円で済みます。会場は、公民館や学校の講堂を借りましょう。学校で生徒に見せる場合は、県や市の教育委員会で予算を付けてもらって購入し、地区の小学校を巡回して見てもらうという事も出来ます。子ども達が見る前に、学校の職員会議やPTAの会合で事前鑑賞会をして、「これなら問題ないな」とお墨付きをもらった方がスムーズかもしれません。


2008年10月以降の「こちらたまご応答願います」
          アニメDVD申し込みについて

『間合せ・申し込み先』
 東京都渋谷区宇田川町37番14号篠原ビル4階
 ピクチャーズネットワーク株式会杜
    代表取締役平形則安
 電話:03-5738-0720
 Fax:03-5738-0722
『送金先』
 郵便振替口座番号:00180-1-317333
 加入者名:こちらたまご応答ねがいます

原作の本は本屋さんで頼めます 一冊 1300円
ことりのほんばこ「こちらたまご応答ねがいます」
 作:岸 信子 絵:本間弘子  発行所:新風舎



  

  

  目次へもどる    次ページへ