今年は猛暑?   

 梅雨明け宣言もそこそこに、連日暑い日が続いています。やはり今年は予想に反して猛暑なのでしょうか。でも、8月も10日を過ぎると朝夕は少し涼しい感じです。喘息発作もボチボチと出始めています。吸入や内服を忘れないようにしましょう。マンスリーニュースも夏休みの気分で遅くなってしまいましたが、とりとめなく書くことにしました。
 O-157は、下火であるとはいえ相変わらず各地で猛威をふるっています。最近の新聞報道で、管厚生大臣が大阪堺市の集団感染のもとが給食のカイワレ大根であることを発表しました。全国の生産者は躍起になって否定していますが、本当はどうなのでしょうか。水耕栽培の水が問題になったようですが、結論は出ていません。私の印象としては正解の様な気がしますが、死者も出ているこの場合「疑がわしきは罰する。」ほうがいいと思います。カイワレを作っている者にとっては大打撃であり、死活問題ですが。
 今もお母さんたちは、子供の下痢に大変神経質です。これだけ気を付ければ、他の食中毒も減るでしょう。それにしても、この事件は、衛生状態の良い日本でも油断すると恐いなということを示してくれました。他人事ではなく反省したいものです。
                
 夏のかぜがボチボチと流行っています。夏のかぜの代表はプール熱(咽頭結膜熱)ですが、これはアデノウィルスによって起こります。発熱、咽頭炎、結膜炎が主症状です。潜伏期は5日から7日で、徐々に発症してきますが、発熱が 38 〜 40 ℃で4日から5日続くのが特徴です。
 もう一つの夏かぜウィルスグループは、エンテロウィルスです。ポリオ、コクサッキー、エコーウィルスなどが含まれます。有名なのは、ヘルパンギーナとういコクサッキーA群によって起こる病気ですが、これは、のどの奥に小さな水疱や潰瘍が出来て痛く、高熱も3日程続くため、脱水に気を付けなければいけません。
 その他、エンテロウィルスによる発疹を伴ったかぜも多く見られます。よく知られている突発性発疹症(突発疹)は、ヒトヘルペスウィルス6によることが分かってきていますが、それ以外にも発疹を伴ったかぜがたくさんあるという事を頭に入れておいて下さい。
                
 坐薬は、小児科では特によく用いる薬の投与法ですが、歴史は古く紀元前2600年の古代エジプト、メソポタミアから使われていたそうです。日本では、1948年注射による大腿四頭筋短縮症が社会問題になり始めてから次第に使われるようになり、小児科では1973年頃から多くなってきました。薬としては、解熱・鎮痛、抗喘息、吐き気止め、抗けいれん、抗生物質などいろいろありますが、小児科で一番多いのはなんと言っても解熱剤です。坐薬の良いところは、たくさんありますが、例えば胃腸障害を起こさない、簡単である、薬が変化しにくい、食事の影響が無く効果が確実で早く効くなどです。以前は、薬を溶かす基剤としてカカオ脂を使っていたため薬の吸収のバラツキありましたが、現在は腸で溶けて出るカスの少ない化学物質が使われています。
 ズルズルは、乳幼児用鼻汁吸引器で、当院外来にて求められます(専用ケース入り一つ 1500円)。かぜひきの乳児は、鼻詰まりで母乳やミルクが飲めなくなります。そんな時、熱が高くなければお風呂に入れて、鼻が出やすい内にお母さんが吸ってあげるのも良いと思います。薬局でピクを買ったお母さんもおられると思いますが、ズルズルは名前は良くありませんが、むとう小児科推薦の鼻汁吸引器です。奥まで入り過ぎず安全です。一度お試しを。
                
 八月も半ばを過ぎると、北陸はすぐ秋に直結です。子供達も楽しい夏休みの思い出を胸に、何となくこころ寂しく(私の勝手な気持ちでしょうか)学校の門をくぐります。手には大きな宿題の作品を抱えています。昨日見た夢は、家族で行った海水浴の場面でした。朝起きたら、パンツが少し濡れていました(友達のおはなしです)。
                なつかしいなー


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