新年度また、色々変わりました

 4月です。松任駅から八号線に向かう道沿いの桜は、短い春を惜しむがごとく、淡いピンク色の花弁を精一杯青空に向けています。しかし、今日(八日)は雨だったせいか、昨日よりもまばらでうつむいて見えました。すでに潔く散ってしまった仲間たちに別れを告げているのでしょうか。

 さて、子供たちにとっては何となく浮き浮きとしながらも不安な季節です。クラス替えで、あの可愛い子と一緒になれたらいいなとか、意地悪なあいつと離れられたらいいなとか、色々な思いが交錯しています。不安だけども楽しい学校。こんな思いで、新学期が迎えられたらいいですね。これ実は、うん十年前の私の話ですが、今はどんな思いでいるのでしょうか。

 4月から医療費改正

 今回の医療費改正は何となく深く静かに行われたという感じです。新聞でもあまり大きく取り上げられなかったようです。昨年に引き続いて行われたので話題も少なかったからでしょう。しかし、患者さんの負担は少しずつ着実に上昇しています。診療所での医療費変化を大まかに言えば、診察料が少し上がって、薬剤の価格が下がりました。小児科で身近な3歳以下の包括制では、これまで初診が六千四百円だったものが、百円上がりました。つまり支払いは3割なので負担が 30円増えたと言うことです。千九百二十円を握りしめたお母さんにあと 30円と言うのが気が引けました。再診も百円上がりました。3才以上の初診や再診料も、それぞれ二百円、四十円ずつ上がっています。これは医師が助かります。

 薬の値段が下がったということは、患者さんにとっては良いことです。医師にとっては値段の高い良い薬が少しは使いやすくなったわけですが、欧米では同じクスリが更に安く売られています。また、仕入れ値はこれまでとあまり変わらないので薬での利益はほとんど無くなりました。これは、薬で儲けるという弊害を無くすには良いことですが、それに変わって診察の技術をもっと高く評価してもらわないと経営的には大変なのです。保健本人が2割負担になり、かつ薬剤の種類によっては支払いが増えるようになり、患者さんの受診が減っています。内科の先生の話では負担が大きいために、薬が無くなっても取りに来られない方もおられるということです。結局は患者さんにしわ寄せが行っています。

 私は、医療とはサービス業であると考えています。患者さんに心地よいサービスを提供するためには、サービスする側に余裕が必要です。経済的に追いつめられた状態(精神的にも)で患者さんに生きるエネルギーを与えられるような、患者さんの立場に立って考えるサービスが出来るでしょうか。国は多くの良心的な医師のために、安心して働ける長期的な立場に立った医療体制作りを心がけてほしいと思います。それが、弱い立場にある患者さんにとっても大変重要な事です。

  松任市でも休日当番医制開始

 4月から松任市でも休日当番医制が実施されることになりました。まずは、内科と小児科ですが、追って外科も実施予定です。休日の朝に、北国と中日新聞に掲載されます。時間は午前9時から、昼12 時までの3時間です。短時間ですが、金沢市のように医院が多くて年に一、二回まわってくるだけならば負担は少ないのですが、松任市では内科も小児科も一ヶ月半に一回位の割なので手始めとして午前中だけになりました。当番医を利用する場合には、事前に電話連絡をしてもらうことになっています。また、これまでどうり在宅医制も残っていますから、消防署や市役所に電話して在宅医を確認し、利用することも可能です。                     受診心得として、緊急性を要するということが原則ですが、新米ママが、初めての発熱に飛び込んで来られても致し方ないと思います。子育ても勉強です。                                  ガンバッテ!

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