気管支喘息発作の季節です  


 緑の美しい季節になってきました。しかし、喘息の季節でもあります。発作を訴える患者さんも増えてきました。今回は、小児喘息の治療についてお話ししましょう。

 気管支喘息の診断は、繰り返す喘鳴と呼吸困難によって行なわれます。その前の状態として、気管の敏感さを示す朝夕の咳が出て、継続することがよく見られます。
 朝夕の咳に対して:喘息の出やすい季節である春や秋、また風邪をひいた後に朝夕の咳が続くことがあります。ゼーゼーという喘鳴は聞かれませんが、敏感になった気管が少し縮んでいるのです。咳の為に、眠れない、遊べない、食べられない状態があれば、気管を拡げる薬を使って咳を止める必要が有ります。咳を出させておくと気管の敏感さがよけいに増してきます。
 軽症の喘息:年に数回の小発作、中発作は、その都度、気管支拡張剤を使って治療すればよいと思います。年令、個人によって違いますが、そのまま軽くなって行く場合が多いと思います。しかし、これまで1〜2回の発作でも、急激に呼吸困難に陥るタイプの患者さんは要注意です。
 中等症および重症の喘息:毎月発作を繰り返す、一度発作が出ると一週間も幼稚園や学校を休むなど、子供の生活を大きく障害する場合には、発作を確実に予防する治療法が必要です。
 薬の使い方は、その患者さんの発作の程度により違います。気管支拡張剤、抗アレルギー剤の連用を初めとして、家庭内吸入療法、さらに長期入院療法まであります。大事なことは、子供の生活をいかに健康児のそれに近づけるかです。

 

 喘息発作一口メモ

 1.喘息児は、運動をすると発作を起こします。運動喘息と言います。親にも言わずに  一人悩み、体育が嫌いになってしまいます。発作予防薬を使えばヘッチャラだい!
 2.喘息は夜作られる。発作は夜間に多く起こります。子供も親も眠れません。当    然、親子関係も悪くなります。みんな、発作が悪いんです。
 3.小学校入学時、卒業時、中学校卒業時は、喘息の治りやすい時期です。発作を出来  るだけ少なくして、その時期に持ち込もう。

 

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