熱性けいれんについて
子供の熱性けいれんは、脳膜炎などの脳の異常がないのに、風邪などの発熱に伴って全身性のけいれんを起こすことを言います。主に、生後3か月から5才頃までに見られますが、この年令を過ぎると起こしにくくなるのが普通です。大人で言えば、発熱時の悪寒と言えるかもしれません。
熱性けいれんが、おきた時
けいれんは、たいていの場合1~2分でおさまり、命にかかわる様な事は、めったにありません。あわてないで次の処置をしましょう。
(1)最初に顔と体を横向きにします。口には、しいて何も入れる必要はありません。(もし舌を傷つけている様子があれば、タオル、ハンカチ等を噛ませてください。)
(2)衣服をゆるめ、呼吸が楽に出来るようにします。
(3)熱が高い時は、氷枕、水タオルで頭などを冷やしましょう。
熱性けいれんが、おさまったら
けいれんがおさまってから、一度は診察をうけましょう。但し5分以上続く様な場合は、すぐ医師にみせてください。
熱性けいれんを起こしやすい子供さんに対して
早めに解熱剤を使える様に、ふだんから解熱剤の座薬や飲み薬を用意しておきましょう。
2回以上熱性けいれんを起こした場合には、けいれん予防の為、けいれん予防薬(ダイアップ座薬)を熱の出始めと8時間後に入れます。これで、けいれん予防効果が24時間持続します。
熱性けいれんは、熱が出てから24時間以内に起こすことが多いためです。
けいれんの時の状態が下の事柄に一つでも、当てはまる場合は特に医師の診察が必要です。
1)家族に、てんかんの人がいる。
2)熱が、38度以下でも、けいれんがおきる。
3)7歳を過ぎても、けいれんがおきる。
4)体の右または左半分だけに、けいれんがおこる。
5)同じ日に、何回もひきつける。
6)15分以上、けいれんが続いた事がある。
7)以前もしくは現在、脳に傷害がある(あった)人、あるいは知能の低下が見られる様になったと思われる場合。
小児科いろいろ知識集