3才児神話・子育て支援について
2015年06月16日
3才児神話については、いろいろ言われていますが本当の意味は何なのでしょうか。

母親、特に女性を家庭に縛り付けるための封建時代の遺物であるという意見が大きく、ウーマンリブの闘志には鼻持ちならないものかもしれません。いつの時代にこの言葉が出来たのかは知りませんが、子育てに母親がすべて参加しないと子どもがおかしくなるというのは確かに真実を伝えてないと思います。
3才児、この生まれてから3年間という意味は、初めて出会う人間、特に母親父親との信頼関係を育てる時期ととらえるべきと思います。ただ、最近のように生後3ケ月から保育園に預けてしまう体制(早期保育)は、人間が動物である事を考えるとあまりにも早い分離ではないでしょうか。

親子の信頼は緊密接触があってこそ育つものだと思います。母も子もお互いをこの子の母として、また子としての認識が育つ前の別れだと思います。親も子どもの母を求める泣き声や、母乳を与えているときの母としての充実感、おしっこやうんちに耐性が出来ておむつ交換を苦でな<なる時期、そして次第に子育てが楽しいという気持ちが育ってくる・・・そんな子育ての楽しさを味わう暇もなく、愛情も育つ前に分離されてしまう。これほどの悲劇があるでしょうか。

現代社会の二ーズにあわせて、労働力として使われてしまう母親のエネルギーは、本来生まれたばかりの子どもたちに与えられるべきなのです。仕事に疲れた親が、子育てを楽しめる余裕など有るはずがありません。日本の未来を担う子どもたちを育てるという仕事が、片手間では出来ないことを認識すべきです。子育ては社会の大事業であると思うべきです。社会の仕事と同等に大事な事業ととらえるべきなのです。いかに不況であってもそのしわ寄せを弱い立場にある子どもや母親に向けるべきではありません。

国の考えている子育て支援政策が逆方向を向いていると感じるのは私だけでしようか。子どもは保育所で生後3ヶ月から、かつ夜遅くまで預かりますよ(延長保育)。病気になったって大文夫。病気の子も預かりますよ(病児保育)。お母さんは気にしないで会社のため、社会のために頑張ってくださいよ。・・・本当にこれが子育て支援なのでしょうか。

子どもの立場に立った子育て支援こそ目指すべきではないでしょうか。つまり、仕事をしていても、産後一年間は子育てに専念していいですよ。母乳も充分にあげてください。そして、子育ての楽しさを十分味わってください。勤務は1年間休んでも、あるいは50%勤務でも、席は空けておきますよ。会社にとっても、それが人材育成という将来に対する大きな資産なんですから。
愛情深く育ててあげてくださいね。会社に復帰してからも子どもが病気の時は、ペア勤務態勢で応じましょう。二人で一人の仕事を受け持って、緊急時には気兼ねなく子どもの看護が出来るようなシステムは良いですね。
子どもは病気の時こそ親の看護を必要としているのです。元気になったら親が愛してくれているという自信を持って子どもは保育園に帰って行くでしょう。子どもの心が安定していると親も仕事に頑張れるものです。

子どもが幸せな社会。親が子育てを楽しめる社会。次の子どもを不安なく生める社会。子育て中の親子を、愛情を持って受け入れてくれる社会。子どもの権利として、必要なワクチンはすべて無料で接種してくれる社会。更に、一人一人の人間を大事にしてくれる社会。
それこそ少子化なんか飛んでいけの社会です。
院長のひとりごと