おしどりマコ・ケン氏迎え講演会開催 エネルギッシュな報告に刺激を受けて
2016年1月16日
原発を追及する芸人ジャーナリスト、おしどりマコ・ケンさんの講演会の司会をさせていただきました。お二人は「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」所属の芸人さんです。頭の中が全てエネルギーという感じで、原発事故の難しい質問にも、確かな情報を基に的確に答えてくれます。マコさんが主役ですが、ケンさんも「愛の手」をうちながら講演を支えていました。11月29日(日)午後2時。金沢都ホテル・加賀の間は、160人余りの聴衆で埋まりました。前日の悪天候から、出足が危ぶまれましたが、そんな心配は杞憂でした。西田直巳会長は開会あいさつにて、「皆さま方の熱い情熱、4年経っても衰えない情熱に喜んでいます。最近は原発再稼働の話も耳に入ってきます。まさに、反原発の活動も正念場に差しかかっています」と話しました。

お二人は2011年1月に、大阪から東京へ転居。その3ヶ月後に地震に遭いました。地震の直後に楽屋で聴くお話は、芸人さんが東京から逃げているということでした。地震発生の翌日の3月12日に、マコ・ケンさんは会社の仕事でオーディションを受けていました。その後も、原発の爆発が続きます。同じ楽屋の芸人さんも、子どもを遠くへ避難させていました。その芸人さんは、子どもたちに再会できないのではと大泣きしていました。新幹線や空港は逃げる人たちで混雑していたそうですが、それが報道されることはありませんでした。報道関係の代表の方が、後にその行為を懺悔したそうです。「一生を背負う」と。

報道は信用できないと、連日、インターネット中継されていた東京電力の記者会見に注目し、その経緯をすべてメモしました。それでも東電の説明に納得できず、その会見場に堂々と潜り込んだそうです。会見を直接聞きながら、初めての質問をしました。「インターネット放送されている原発の現場で、時々吹き出す白い煙は何ですか?」という質問で、「冷やしている大量の水が水蒸気として噴き出しています。放射能も含まれてございます」という本音を引き出しました。「どのくらいの放射能が含まれているか、出してください」と詰め寄ったそうです。3ヶ月後に回答がありましたが、それは「毎時10億ベクレルです」というものでした。

2011年7月からは、福島県で行われている県民健康調査について取材しています。小児甲状腺がんが増えるに従って、その説明は「スクリーニング効果(放射線による影響ではなく、大規模な検査を行ったことによるもの)」と片づけられていました。しかし、2015年になって小児甲状腺がんと診断された患者が50人を超え、5月に「他のがんに比較して小児甲状腺がんが数十倍多い」との甲状腺検査評価部会のまとめを発表しました。国や県の「甲状腺がんは増えていない」という主張は覆されたのです。

聴講者の一人として、原発事故の多くの隠された事実に接し、ただ驚くばかりです。毎年のように自然災害に見舞われる日本という国に、原発利用は適さないという気持ちを、さらに強くしました。
院長のひとりごと