子供の成長心配いろいろ・・・(指しゃぶり)

 マンスリーニュースも、ついに一年目を迎えることになりました。子供の病気もいろいろ、成長もいろいろですが、身近な問題を取り上げて今後も続けたいと思います。
赤ちゃんが成長するにつれて、一つ一つの行動が本当に心配になるものです。初めての子供の時はなおさらです。多くの心配を乗り越えて親になっていくのでしょうが、少しでも知識があったら、余裕を持って赤ちゃんを見守れるかも知れません。今回、心配シリーズ第一弾として「指吸い」について知識を仕入れておきましょう。

  指吸い(指しゃぶり)

 子供は皆、指吸いの経験者です。指吸いはお母さんのお腹の中にいる時から始まっているといわれます。時には、手首や指に吸いダコの水泡を作って生まれてくることもあります。生後三か月ごろになると、自由に指を口にもって行けるようになり、一時的に指吸いはやんでしまいます。五〜六か月になって物を握れるようになると、自分の口に何でももってゆくようになります。このころ、口は物を探る道具で、子供の指が口に行くのも当然と言えるでしょう。
指吸いの原因
 指吸いは、発達の経過とも考えられ、ある研究によると、脳性マヒや発達の遅れた子供では、指吸いが大変遅れると報告されています。フロイトという有名な精神科医は、指吸いが性的な快感に通じるものであると分析しています。また他の学者は、原始人の間では、赤ちゃんが泣くとすぐに乳を飲ませるので、指吸いは見たことがないと述べています。指吸いも深いものがあるのかもしれませんが、赤ちゃんが、お腹がすいたり、眠りながら指を吸っている様子は、親にとって本当に愛らしく感じられるものです。
指吸いはいつまで?
 乳児の指吸いが、一時消えても、歯が生えるころになると、そのはぐきをこすりながら、指を吸うのが見られます。満一才で、赤ちゃんの半分が指吸いをしています。普通は、一才半から二才の間に頂点に達し、三才頃には眠いときだけ吸うようになります。
指吸いは有害か
 指吸いが有害だと言われるようになったのは、十九世紀末からです。扁桃腺やアデノイドを肥大させるとか、虫歯の源だとか、不正咬合の原因だとか言われてきました。ルイスさんの研究では、五才以上の子供170人について研究し、30人の指吸いのうち、24人が乳歯にいくらかの不正咬合をみています。しかし、六才前に指吸いが消えれば、変形は自然に治ってしまいました。
指吸いへの対処
 乳児はもちろん三才までは、正常な行為と考えて何もする必要はありません。三才を過ぎて、指吸いがひどくなるような場合は、その行為を責めたりしないで、心の不安定や抑圧、またしっとを起こさせる状況がないかよく見回してあげてください。指吸いが有害なのは、吸うこと自体にあるのではなく、両親がそれにどう対応するかにかかっています。指吸いの大部分は、何もしなくても、五〜六才までには、自然に消えてしまうものです。

 
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