IT(アイ・ティー)医局事始め

 インフルエンザの流行が、波に乗りそうな今日この頃です。県内外の小児科医が作るメーリングリスト(インターネットを使ったお話会)では、毎日のインフルエンザ状況が報告されています。昨年、県内で麻疹(はしか)が流行したときも威力を発揮した小児科医ネットワークは、今年も大活躍しています。
 2月6日の北国新聞で、
IT(アイ・ティ=Infomation Technology=情報技術)医局として紹介された記事の実体です。
 今月のマンスリーニュースは、IT医局についてお話します。

  IT医局とは?

 私が医学部を卒業し小児科の医局に入ってからすでに28年。入局したての頃、外来で患者さんの便や尿や血液にまみれながら教授の診断に一喜一憂していた頃を思い出します・・・「やっぱりそうだったか」「エー、ほんとにー」と、教科書どうりには行かない病気の診断の難しさに、実践の大切さを噛みしめました。研修もそこそこにそれぞれが県内外の病院へ赴任、更に実践を積みます。一人医長としての不安な日々。診断の難しい患者さんは、大学に紹介したり、お伺いを立てたり、医局での先輩の意見を思い出したり・・・その医局がインターネットを通して開業医・勤務医に再来したのです。忙しさにかまけて新しい情報に遅れがちな開業医にとって、本当にありがたい贈り物です。

  診断と治療の変化

 IT医局によって何かが変わり始めています。「どこどこの保育所で、麻疹が出たよ」というメールは、その保育所から来られた患者さんを受付の段階で隔離することが出来ます。「この病気には、こんな新しい薬が出たよ」というメールは、瞬時にたくさんの小児科医に送られ、患者さんに処方されます。「こんな治療法が報告されたよ」というメールは、患者さんの苦痛をやわらげる治療が瞬時に行き渡ることになります。
 情報が速いと言うことはこんなにも便利なものでしょうか。インターネットを上手に使う・・・皆さんもインターネットの楽しさや有益さを是非お試しください。

新聞記事をPDFファイルでリンクしましたのでご覧ください。 IT医局新聞記事.pdf                 (100%で見てください)
 
 
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