「名古屋で叫んだー・・・」

 9月も半ばを過ぎてしまいました。昼間は暑いのに、夜は涼しい。寒暖の差が激しい今日この頃です。でも北陸の短い秋を楽しみたいですね。家族での旅行も多いと思いますが、子どもの病気は突然です。特に乳幼児を連れての移動は大変です。当家でも昔、家から出たとたんに車の中で「ゲボー」っと嘔吐、「ウワー、助けて」という思い出が何回かあります。親の都合で出かける事が普通ですが、子どもが小さいときは余り無理をしないで近くで親子のふれあいを大事にした計画をたてましょう。

  名古屋で外来小児科学会

 今年も名古屋で開かれた外来小児科学会(8月31日、9月1日)に参加してきました。2回目の参加ですが、夫婦で出られる唯一の学会です。
 久しぶりの名古屋でしたが、名古屋は大都会です。駅前には巨大な新築のビルが建ち並び、町並みも整備が進んでいました。金沢にはない広い道路が、大都会という印象を更に決定付けているという感じです。30日の夜遅くに電車で名古屋に着いたので、まずは夜の名古屋にご対面。美味しいといわれる名古屋コーチン(地鶏料理:はやく言えば焼き鳥です)を味わい、翌日に備えました。
 学会は、名古屋駅から少し離れた名古屋国際会議場で開かれました。昨年のマンスリー・ニュースでも学会報告を書きましたが、ワークショップ中心のユニークな学会は全員参加型でとても楽しいです。
 私は第1日目の「三歳児神話と育児支援」というワークショップに参加しました。

  ワークショップ参加

「三歳児神話と育児支援」というワークショップには興味を持つ方が多かったせいか、リーダーが20人という予想をはるかに上回る40人程の参加申し込みがありました。参加者は、看護師さん、事務員さん、薬剤師さん、医師と、子どもの医療に関わっている方々です。全員で討論というのも大変なのでまとめ役の先生がグループを2つに分けて話し合いが行われました。事前に参加者のアンケートもとってあったので、その結果もパンフレットで渡されました。次ページにアンケートのまとめを載せました。専業主婦の意見も載っています。

出席者と専業主婦の方とは少し意見が違いますが、三歳までの養育環境が重要であることでは一致しています。三歳児神話というのはそういう事ではないのでしょうか。つまり、生まれたての赤ちゃんが始めて出会う人間と信頼関係を作る三年間なのです。信頼関係がまずは母親、そしてそれを見守る父親と作れればそれに勝ることはありません。「せめて一年間でもゆっくりと愛情を育てる環境を政府も考えてほしいー。」と名古屋で叫んで来ました。名古屋コーチンもビックリしたことでしょう。

  佐々木正美先生(左)と

 昨年12月のマンスリー・ニュースで「子どもへのまなざし」という本をご紹介しました。私は考え方に大変共感を持ったのですが、図らずもその著者であられる佐々木正美先生の講演会が学会初日の午後に開催されました。お話は子育ての基本がコミュニケーションにあるという大変大事な内容を分かりやすく話されました。興味深かったのは、いくら父親が育児に参加してくれてもその父親とのコミュニケーションがうまく行ってなければ母親の育児は満足した物ではないというアンケート結果でした。父母が仲良く参加する育児が理想・・当たり前なようで難しい。でも叶えてやりたいですね。子どもは正直ですから。

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