ブックスタート実践編

 1月初めからのインフルエンザ大流行も、ここ数日は一段落という所です。例年にくらべると早めの流行で、急激でした。当地は、インフルエンザA型がほとんどでしたが、最近はちらほらとB型が混じってきていました。これからB型が流行かなと思っていたら、少し暖かなせいでしょうか、一時休養の状態です。
 さて今月のマンスリーニュースは、当院事務の○○にお手伝いしてもらうことになりました。子育てと仕事、そして旦那のお守りと毎日大変なようですが、親として妻として日々悩みながら成長しています。(院長としては「成長できるなんてうらやましい」、と言っても精神的にですが。)
 景気回復の兆しが見えない今日この頃、どうしても子育てが手抜きになってしまいやすいですが、ちょっとした工夫で親子が触れ合えるものです。なにげないその触れ合いがとっても大事なんですが、そー思えるのは後になってからです。皆さん、生活の糧を稼ぐのは大事ですが、子どもとの触れ合いは本当の幸せに繋がります。
 今回、その切実な思いを込めた一文をお届けします。「ブックスタート実践編」・・・子育てのヒントになれば幸いです。


 今年は新年早々インフルエンザが猛威を振るっています。すでにインフルエンザにかかってしまって、大変な思いをされたお子さんも沢山いらっしゃったのではないでしょうか。当院でも日々対応に追われて、薬がない、検査キットがない・・・と毎日がパニックです。さて今回のマンスリーニュースは最強のインフルエンザにやや敗退気味の院長のピンチヒッターで私、○○が私自身のブックスタートについてお話したいと思います。
 皆さんは、お子様に絵本をよんであげる機会がありますか?我が家には7歳、4歳の愛らしい(?)娘がいます。毎日、仕事と家事に追われて全くかまってあげられないダメな母です。そんな毎日の中、唯一かかわる時間が就寝前です。私は彼女たちに毎晩、3冊の絵本を読んでいます。読みながら楽しい日もあれば、一緒にねむってしまう日もあります。時には「今日はやめようかな、めんどうだな」・・・という日もありますが、1日の締めくくりだと思い3年間続けてきました。私が娘たちに絵本を読むこと・・・きっかけは長女に突然、「注意力欠陥多動症」という病名がついたことです。保育園の年少の冬です。それまでは運動会、発表会、なにひとつ参加できず、ビデオを構える父を失望させていましたが、まさか病気だったとは考えてもいなかったのでただただ驚くばかりでした。診断していただいた先生から色々なアドバイスをうけました。そのなかに「父は休日、思いっきり体を使って遊ばせる」「母は毎晩、絵本を読んであげる」ドクターいわく、静と動の分別をつけるんだそうです。早速、私は帰り道に図書館で絵本を借りて帰りました。布団に入って読み始めると、せわしなかった彼女が静かに聞いてるじゃないですか。それからは毎晩3冊と決めて読むことにしました。時間がなくて「今日はビデオ見ていいよ、絵本お休みにしよう!」と言ったこともあります。そんな時、彼女は「一冊だけでいいから読んで」と言います。始めはぎこちなかった私も、毎日続けると声を変えてみたり、読む楽しみを感じています。
 現在、彼女は1年生です。色々心配しましたが、驚くほど落ち着きました。入学前に「もう受診の必要はない」とドクターに言われました。落ち着きましたが今でも、友人と交われないなど悩みは尽きません。あせらず、毎晩の母子の読書を続けて、見守っていきたい思います。最近は絵も凝っていて楽しい絵本も沢山あります。大人も読むのが楽しみになると思います。皆様も是非お子さんと絵本で交流されてみてはいかがですか?早く暖かい春が来て欲しい・・・と切実に願っている○○でした。


院長から一言
 子育ては本当に難しい。「小児科医だから上手に子育てが出来るか?」と言うと「ノー」です。「灯台元暗し」です。知識があるからうまく行くというものでもありません。誠心誠意、心を尽くすより仕方ありません。そのこころは必ず子どもに伝わります。あとはは待つことですね。別に諦めたわけではありませんよ。信じて待つ。これがなかなか難しいです。

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