子供のしつけについて

 結婚して子供が出来ます。否応なく、子供の親になり、大変だと言いながら、子供を育て死んでいきます。有史以来、地球上の生物が繰り返し行ってきたことです。私くらいの年になると『もっと理想的に育てられなかったか。』と悔やむ人も、私を初めとして、たくさんいるのではないでしょうか。子供を育てることは、誰にとっても初めての体験です。今、反省をしながら思うことは、優しさ、つまり受け入れと、厳しさ、つまりしつけの両方が子供にとって必要だということです。それが子供への最高の愛情表現なのです。

幸せな家庭は努力の結晶です

人間は一人では生きられない
 人間は一人では生きられません。私のはいている靴は、数十人、いや数百人の人の手を経て、私の足を守ってくれています。身の回りのたくさんの品々を考えたら、気の遠くなるほど多くの人達とつながっていることになります。道ですれちがった、怖そうなおじさんが、私のパンツのゴムと関係あるかもしれません。少し話がずれましたが、こう考えると人間が一人では生きられないことが良く分かると思います。しつけとは、子供に家庭や社会という集団での生活のルールを教えることです。愛する子供が、親がいなくなっても、生きていけるように。
『正しい』しつけ
 人間の欲望には限りがありません。しつけの内容は、安全とそうでないものを教えたり、自分にとって大切なものは、ほかの人にも大切であると考えるように、また何でも自分の自由にはならないこと、限界があることを教えることです。
 教え方にも親の育ってきた境遇によって、ずいぶん違うと思います。私の母親は、私が小学校時代に家のお金を持ち出して、豪遊したとき、ただひたすら涙を流しました。母のお母さんは、学校の先生で、物差しでぶたれながら勉強をさせられたので自分の子供にはその思いをさせたくなかったと、後から聞きました。しかし、私にとっては、母の涙ほど強烈に心に訴えたものはありませんでした。しつけの仕方は色々あっていいのです。心がこもっていれば、愛がこもっていれば、力一杯お尻を叩くのもいいでしょう。どちらにしても、子供はいつか感謝してくれると思います。若いお母さんやお父さんも自信をもって、子供をしつけてください。自分の貴重な体験を子供達に分けて上げてください。
 最後に、お薬を飲まない子供に負けないでください。子供は薬の必要性が分かりません。親の決意を示す強い心も、その親からもらって、子供に教えてあげるのです。子育てはいつも真剣勝負だと思います。

親だって、
 昔は
  子供だった

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