「子育て大変でしょう」アンケート

 早いもので今年も既に11月を迎えてしまいました。景気低迷、中東紛争など激動の平成15年も残すところあと2ヶ月もありません。景気が良くなると言いながら、数字どうりには行きません。イランの米国統治も考えていたほど簡単には進みません。それがこの世の難しさです。子育ても同様です。思うようにいかないのが常・・・そう考えて力を抜いて行きましょう。
 さて、今月のマンスリーニュースは、先日当院で行わせて頂いた「子育て大変でしょう」アンケートの結果をみながら、子育て支援についての考えを巡らせてみたいと思います。お付き合いください。

  子どもは三人?

 アンケートの総数は100人でした。まず初めにご夫婦の年齢と同居、別居の有無をおたずねしました。父親の平均年齢は、34.8才、母親は33.2才です。同居、別居については別居が圧倒的に多く、記載の無い四家族を除いた96家族の内、66家族が別居でした。
 子どもの数は、1人から6人と幅はありますが、百家族を平均すると1.95人と2人を割り込んでいました。日本の2002年1月の出生率は1.39だそうですから、それよりは高い値を示しました(比較して良いものか不明ですが)。
 さて、理想とする子どもの人数も書いてもらいました。記入の無かった一家族を除いた平均は、2.68人と子どもは3人が理想(51%が理想は3人と答えられています。実際に子どもが3人のご家族は17%でした。)という家族の気持ちが正直に表れた結果でした。子どもは多い方がにぎやかで良い、私が一人っ子だったから、兄弟が多いと助け合っていけるから・・などが理由でした。ちなみに当院も男子3人ですが、それぞれ個性があって、時には心配でにぎやかで疲れて飽きないですよ(これ、ほめ言葉かなー疑問?)。
 理想の子どもの数を希望されている家族数を円グラフに示してみました(次ページ)。3人を希望する家族が丁度半分を占めています。実際3人の子どもがいる家族は、このページの円グラフで17%でした。

 子育て支援は充分ですか

 現在妊娠中なので家庭にいる母・・・産前産後休暇は、法で認められていると言いながらも、実際は利用できる世の中ではない。経済的援助のほうも本当に一部支援にすぎない。たかが知れている。子育てで苦しいのは、子どもが体調を崩しているのに仕事を休めない。子育てで楽しいのは、子どもに思いやりの芽生えを感じた時。「子育て支援」政策に足りないものは、経済的な援助がもっと欲しいし、出産費用、育児手当、その他があとで返還など面倒。母親が正社員でない場合(パート、アルバイト)にも適用される休暇制度などが必要。
 二人の子どもを持つ仕事のある母・・・
3人目からの子育てが本当に楽しく子育てできるかなと思ってはいるのですが、現実は2人で終わりかもしれません。「子育て支援」政策が少子化に効果がないのは、仕事をしているうえでは職場環境の整備が本当の意味で行われないとダメ。子育てで苦しいのは、子ども中心の生活がしたいと思いながらも仕事に復帰すると現実には難しくジレンマの毎日です。楽しいときは家族一緒にいられることと、子どもの笑顔です。
 第2子出産後、産休明けに第1子と同じ保育所に入所希望だったが年度途中では空きがなかった。そのようなことも保障されていないと経済的な面も含めて、子を産み働きながら育てることに様々な困難を感じた。

 「子育て大変でしょう」アンケートの一部を利用させて頂いて、現在の日本の子育て状況の問題点を考えてみました。理想と現実のギャップは何時の時代でも当たり前でしょうが、時代に応じたきめ細かな対応が必要なのだと思います。平成の子ども達の未来は「今、どう育っているか」にかかっているのですから。


   
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