スポーツ楽しんでますか?

 3月も半ばを過ぎました。今日(17日)は暖かで18度の予想でした。温度計は見ませんでしたが、事実暖かでした。
 昨年3月、マンスリーニュースの書き出しは、アメリカがもうすぐイラクを攻撃する話題で世界中が不安になっていることでした。1年後、アメリカの暴挙は、やはりイラクに平和をもたらしませんでした。アメリカに味方したスペインで、つい先頃200人の犠牲を伴った列車爆発テロがあったばかりです。スペインの代表者は、「イラク駐留の兵士を帰還させる」と発表しました。東京でテロがあったら日本はどうなるの。世界の流れに巻き込まれない、いやアメリカの流れに巻き込まれない、主張を持った日本は作れないの?
「うーん。どうしたらいいんだろう」
のんびりとマンスリーニュースなんて書いている時じゃないのかもしれないけど・・やはり書きます。

  ソフトボールの思い出

 私が小学校の頃、ガキ大将の招集で子ども達が集まり、横須賀の山の中の広場でよくソフトボールをしました。テレビゲームも無い時代、遊びと言ったら山遊びです。木登り、虫採り(蝉やカナブンが主、めったにカブトムシはいなかった。)、木や草で隠れ家作り、チャンバラ、撃ち合い・・・いろいろありました。これらに飽きるとメンバーを呼びだしてのソフトボールです。球の扱いがあまりうまくなかった私は、いつも「みそっかす(レギュラーになれないメンバーのこと)」で「おい、かず、お前はライトだ。」とガキ大将の言葉が響きます。また、球の来ないライトか。うれしいような、悲しいような。親父と時々キャッチボールもしましたが、何せ家が山のてっぺん(頂上)近くなので、ノックも滑り込みも出来ません。ひたすらキャッチボール。その場所もせまい。思いっきり投げ、暴投をすると球は崖下に吸い込まれてしまいます。まー、何だこんだでスポーツに自信がなかったのは事実です。
 そんな私に忘れられない思い出があります。小学校6年の時です。私のクラス、6年1組は担任の先生が美術出身の芸術家。教室の壁には所狭しと抽象画が乾燥の為に、立てかけてありました。「この絵はうまいのかな」と思いながらも、クラスのみんなはいつの間にか絵がうまい。6年3組は、担任が体育出身のスポーツマン。子ども達も当然体育が得意。クラス対抗のソフトボール試合は常に3組の勝ちです。ある時、1組の速球エースが打ち込まれてしまいました。「今回もこれで負けかなー」と思ったのですが、何の間違いか、補欠でピッチャーに当たっていた私が投げることになってしまったのです。私は、スローボールしか投げられません。何せスローボールだけを練習していたんですから。でもそれが良かったようです。3組の強打者は、タイミングが外れて大きな当たりになりません。そして勝ったんです。うれしかった。映画みたいでしょ。でも本当ですよ。
 この後、・・私がエースとして登場・・とはなりませんでした。ここが映画と違うところです。そしてスポーツに開眼ともなりませんでした。
 高校・大学は、花形だったテニス部に入りましたが、やはり補欠。
 現在は、細々とゴルフを楽しんでいます。ゴルフは個人スポーツだから、自分が主役です。どうにか皆さんに迷惑をかけない程度で回っています。やはりエースにはなれませんが、奥が深く楽しいスポーツだと思っています。

  スポーツ楽しんでますか?

 3月7日、医師会主催で学校医研究会がありました。ある金沢の整形外科の先生が、「子どもとスポーツ」という演題でスポーツ障害について、多くの経験をまとめて発表されました。
 サッカー、野球、相撲・・・スポーツはいろいろですが、たくさんの子ども達がスポーツで障害を受けていました。多くは、スポーツに対する指導者の行き過ぎた練習がもとになっていると考えざるをえません。指導者としては、保護者が「チームが強くなって、勝って欲しい」という希望を引き継がざるをえないのでしょう。そんな中に、小・中学生の身体発育が成長途中であることを認識していない無謀な指導が浮かんできました。休養を無視した過剰練習。そして成人まで残る障害です。実際、当院の外来で、風邪でも部活やスポーツ少年団の練習を休めないと言われる子どもさんがほとんどです。何でこんなにまで加熱してしまったのでしょう。松任では特にサッカーが盛んですが、全員がJーリーグを目指しているようです。そこまで目指さないで、心も身体も未成熟な子ども達が本当にスポーツが「時にはつらいこともあるけど、楽しいなー」と言える体験の積める指導は出来ないものでしょうか。それが将来の有望選手を育てて行くのだと思います。強くないと面白くない。しかし、それはプロに求められる言葉でしょう。かつてクーベルタン男爵は、「オリンピックは、参加することに意義がある」と言われました。この言葉は、「強さよりもっと大事なことがある」と述べているように思います。

  そしてこれから

 特別講演はタイミング良く「スポーツ医学」についてのお話でした。講師の先生は、子どものスポーツ全般について分かりやすく解説されました。「1週間に6日も練習して強くなれるはずがない」と言われ(エー、ホントー)、スポーツ医学に基づく年齢や個人の体力に応じたトレーニング、さらに「楽しいスポーツ」の重要性を強調されました。根性で強くなる時代から、楽しみながら強くなる時代へ・・・これ、どの業界でも一緒かもね。私も、最近は赤ちゃんを診察するのが楽しいです。(そりゃ、年のせいじゃ!:陰の声)

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