「地球温暖化」と「熱中症」

 今年は、梅雨明けと同時に猛暑が続いています。場所によっては、体温より高い38度という報道もありました。夏ですから暑いのは仕方ないですが、地球温暖化の影響もあると思うと不気味な気がします。温暖化は、人間の環境破壊の影響が大きいのですから、ここらで本気になって反省しないと大変です。来年は日本でも赤道直下の国々のように最高気温40度なんてことにになるかもしれません。熱中症の犠牲者も増えるでしょう。
 折しも11日、4才の子どもがかくれんぼ中に、本棚の押入にひそんでいて「熱中症」で死亡といショッキングな事件が報道されました。
 今月のマンスリー・ニュースは、「地球温暖化」や「熱中症」を中心に勉強しましょう。

 インターネットで、「熱中症」について検索していたら、環境省が最近(本年6月)作成した「熱中症 保健指導マニュアル」という冊子が有ることが分かりました。早速、アクセスしてみると冊子の内容がインターネットで読めるようになっていました。今回は、ここからの情報を元に熱中症について勉強しましょう。でも最新の情報が、家庭にいながら瞬時に得られるのですから、インターネットというのは本当に便利ですね。

  地球温暖化

 地球温暖化:良く聞く言葉ですね。地球の温度が年々上昇しているということですが、「暖かいのは寒いより良いなー」なんて思っていると大変なことになります。気象庁の観測では日本の年平均気温はこの100年間で1℃上昇しているそうです。特に1980年以後に急激に上がっています。
 さて、地球温暖化の原因は何でしょうか。そうです、二酸化炭素です。人間の産業活動が活発になり、石油やガソリンの消費が増えるに連れて地球を取り巻く二酸化炭素が急激に増えてきました。二酸化炭素が適当な量ならば、地球を住みやすい温度に保ってくれているのですが、多すぎれば暖まりすぎてしまうのです。当然、熱中症も増えるでしょう。日本の今後100年間の気温上昇は2〜3℃と予測されています。そうなれば、人間が生きていくために必要な水や農産物、海産物への影響、また、地球上の他の生物に対する影響も計りしれません。更に進めば北極や南極の氷も更に溶け出し、気温だけでなく海水の温度も上昇するでしょうし、海面も上昇します。島国である日本は徐々に狭くなって沈没するかもしれません。
 さて、二酸化炭素の発生を余儀なくされる石油やガソリンの時代は、そろそろ終わりに近づいています。将来のきれいなエネルギー源として、電気や燃料電池が主流になっていくでしょう。日本では、車もハイブリッド車が増えてきています。この車は、燃費が (1/3)です。家庭でもIH調理器(電磁波による加熱)が、使われ始めました。風呂や給湯も夜間の電気代の安いときにお湯を沸かして貯めておく装置が売れ始めています。
安くて、手軽で、きれいなエネルギーを使って、地球を救えるなら最高ですね。

  ヒートアイランド現象

 ヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が、郊外に比べて島状に高くなる現象です。都市の中心部は、冷暖房などの空調システムや電気機器、自動車の数も桁違いに多いために熱が蓄積される事や、ビルはコンクリート、道路はアスファルトと地表に土がない事などが合わさって気温が上がりやすい為と考えられています。当然、都会では「熱中症」の発生も増えるでしょう。

  熱中症とは

 ようやく「熱中症」に到達しました。さて「熱中症」とは何でしょうか。言葉の感じからだいたいの予想はつくと思います。暑い夏に、野外や室内で活動していて身体がひどくなった経験は誰でも有るのではないでしょうか。現在、その程度により軽い方から「熱痙攣」「熱失神」「熱疲労」「熱射病」と分類されています。それぞれの症状や治療を「熱中症 保健指導マニュアル」から下に示しました。
@ 熱痙攣:下肢のふくらはぎ、その他の筋肉にしばしば生じる「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴います。これは、発汗に伴うナトリウムの欠乏により、筋肉の興奮性が高まった状態です。
A熱失神:「立ちくらみ」という状態です。これは、脳への血流が瞬間的に不十分になったことを示します。
B 熱疲労:「強くのどが渇く」、「体に力が入らずぐったりする」、「気分の不快・吐き気・嘔吐」、「不安感」、「目が回る」、「頭痛」、「気を失う」などの“疲弊”の状態です。「気を失う」があれば、“脳症状”が現れたとみなすべきです。
C 熱射病:脳症状が現れ、体のバランスとしては危機的な状態です。「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」、「応えない」、「手が震える」、「体がひきつける」、「真直ぐに歩かない・走らない」、「手足が動かない」などがあります。

  熱中症の治療

@涼しい環境への避難:風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させましょう。
A服を脱ぎ、冷やす:衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。氷嚢などがあれば、それを頚部、腋窩( 脇の下)、鼠径部( 大腿の付け根の前面) に当てて皮膚の直下を流れている血液を冷やします。露出させた皮膚に水をかけて、うちわなどで扇ぐことにより熱を奪うことも有効です。体温が40℃を越えると、全身痙攣、血液凝固障害などの症状も現れます。従って、体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。救急隊を要請したとしても、救急隊の到着前から冷却を開始することが求められます。
B水分・塩分の補給:冷たい麦茶などの水分を与えます。冷たい飲み物は胃の表面で熱を奪います。補給には汗で失われた塩分を補えるスポーツドリンクが最適です。熱痙攣や、短時間の熱失神のみであったり、「強くのどが渇く」、「体に力が入らずぐったりする」、「不安感」、「目が回る」、「頭痛」があっても、応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、水分の経口摂取は可能です。しかし、多少とも意識の障害がある場合には、水分を誤って肺に飲み込む可能性があり、口からの水分は止めましょう。

 「熱中症」は起こってしまうと、生命の危険を伴う病気です。「危険信号」が出たら野外でも室内でも、活動を中止しましょう。「せっかく来たんだから」と無理してしまうことが大事につながります。またの機会に遊ぼうよ。


    
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