「生活習慣病」ってなに?

蒸し暑い日が続きますが体調はいかがですか。。
 アデノウィルスによる上気道炎やプール熱(咽頭結膜熱)が時折診られます。ヘルパンギーナという喉の奥にブチブチの出る風邪も流行っています。夏風邪は高熱が続くからいやですね。手足口病も急に増えてきました。手足口病は、時に頭について髄膜炎を起こすこともあります。手足にブチブチがあって、吐いている時には要注意です。注意しなくちゃ。
 相変わらず、水ぼうそうも多いです。 子どもの生活は感染症との戦いです。とくに保育園や幼稚園に行き始めた当初は、下がったと思ったらまた熱、という繰り返しです。親にしたら「何でまた・・」と思われるかもしれませんが、集団生活に慣れていくための儀式と思って、手厚く看護してあげてください。
 さて今月のマンスリーニュースは、よく耳にする「生活習慣病」について勉強しましょう。

 戦前から戦後、日本人の死亡原因は結核が第1位を占めていました。しかし、生活習慣の変化や食事の欧米化にともなって、その原因が脳出血、がん、心臓病に取って代わられるようになりました。これらは「成人病」と言われていた病気ですが、研究が進んでみると、若い時から病気が始まっていることが分かってきました。10歳代で死亡した日本人小児の大動脈には、その98%に動脈硬化が始まっていたという報告もあります。平成8年(1996年)、成人病は子どものころからの生活習慣がもとになって出てくることから「生活習慣病」と名前が変わりました。
 学校で定期的に検診をしていて気づくのは、肥満児が増えてきたということです。東京都内の高校生の調査で、高血圧や高脂血症、低HDLコレステロール、肥満、糖尿病、喫煙、ストレス、家族性因子、運動不足などの危険因子を、全く持っていないのは10%弱で、大半は1〜2つ、中には4つ以上持っている生徒もいたという結果もあります。また小児成人病検診の結果として、3%未満ですが、小学生にも高血圧症が認められ、その半数以上は肥満を伴っていたというものもあります。
 子どもにとって、毎日の生活習慣は心と身体の成長に大変重要なことは否定できません。食べること、遊ぶこと(運動と楽しみ)、知識を増やすこと、寝ること、そして愛されること・・・そうしたことが守られて、子どもは順調に成長していきます。
 それに反してカロリーの取りすぎ、運動不足、過剰なストレス、寝不足は、時間とともに肥満から高血圧、高脂血症、糖尿病をおこさせ、さらに動脈硬化の進行を早めます。子どもたちには、適正なカロリー摂取、外遊びで身体を動かすことが、生活習慣病予防にとても大事です。
では子どものうちから生活習慣病を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
 まずは、おやつの量を決めることや、ゲームをしたりテレビを見る時間は決めたら良いですね。おやつの量は、肥満にならない量となりますが、食事を含めたエネルギーの摂取量と運動量との関係で決まります。またゲームやテレビの時間ですが、大まかな時間として2時間以内というのはよく聞きますが、4時間だとダメだという証明ができているわけではありません。
 また、夜は早めに寝て、朝は少し余裕を持って起きましょう。そして、良くかんで朝ご飯を食べましょう。和食は、栄養のバランスも良いですよ。学校から帰ったら、友達とサッカーでもしたいね。友達作りとストレス解消。塾はほどほどが良いな。休日は家族全員で身体を動かそうよ。お父さんも参加だよ。球技でもハイキングでも楽しいよ。もちろん手作りのお弁当を持ってね。
 最近、「早起き、早寝、朝ごはん」という標語を耳にしますが、日本の子どもは他の国々の子どもと比べて、夜更かしが過ぎているようです。子どもの成長に応じた睡眠リズムが守れるよう、悪循環に陥った子どもたちを救うためにも、大人たちが自覚をもって子どもたちを守れる環境をつくる必要があるのだと思います。アメリカの話ですが、一部の地域で小児肥満予防の目的で、高カロリー清涼飲料水の自動販売機撤去に踏み切りました。成人のみではなく子どもたちの肥満が社会問題化して来たためです。日本の子どもたちも、たくさんの高カロリー食物に囲まれ、ゲームもテレビもやりたい放題、見放題。生活習慣病にならない方が不思議です。実際、子どもの肥満は最近20年間で2〜3倍に増加しています。今こそ、食生活や家庭生活を社会全体で見直す時期に来ているのだと思います。
「大人が子ども達を守る」・・・この気持ちを忘れないで行きましょう。

  緊急情報!!  「アクエリアス」は乳児(1才以下)には禁忌!!

 スポーツ飲料「アクエリアス」には、その成分に蜂蜜が加えられています。蜂蜜にはボツリヌス菌芽胞が含まれている時があり(10%)、1才以下の乳児にとってボツリヌス菌芽胞が作り出す毒素は、命に関わる中毒を起こすことがあります。(乳児ボツリヌス症)
 なお、ポカリスウェットや他のスポーツ飲料には蜂蜜は含まれていないそうです。
 一応、乳児の飲み物は蜂蜜が入っていないかチェックが必要ですね。


   
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