本当の子育て支援とは?

 暑い、暑い・・・毎日本当に暑いです。最低気温が27度で、最高気温が33度。もうお彼岸も過ぎたのに連日の猛暑です。昨年も暑かったけど、今年もやっぱりです。地球温暖化がジワジワと、年毎に進んでいるのでしょうね。でも皆さんは暑さに負けず一生懸命遊んでいるかな。
 もうすぐ秋の気配を感じる頃になりそうですが、あと1週間は我慢我慢。
 さて、今月のマンスリー・ニュースは、「本当の子育て支援とは」という、いつもの演題です。19日に開催された「石川県子ども総合条例検討委員会」でお話しした内容です。皆さんにもご披露致しますのでご批判下さい。

----------------------------------------------------------------------------------------------- かつて「三つ子の魂百まで(幼い時の性質は老年まで変わらない)」という言葉がありました。生まれてからの3年間という貴重な時間は、初めて出会う人間、特に母親父親との信頼関係を育てることによって、人間に対する信頼感を確立する時期でもあります。最近のように1才前、時には生後3ヶ月から保育園に預けてしまう体制(早期保育)は、人間が動物である事を考えるとあまりにも早い分離ではないでしょうか。親子の信頼は、緊密な接触があってこそ育つものだと思います。子どもの母を求める泣き声、母乳を与えているときの母としての充実感、天使のような笑顔に愛しいと感じる瞬間、おしっこやうんちに耐性が出来ておむつ交換を苦でなくなる時期、そして次第に子育てが、大変なだけではなく楽しいという気持ちが育ってくる・・・そんな子育ての日々を味わう時期を、最低1年間は確保してほしいものです。この期間は、赤ちゃんにとってもとても大事な時期です。見つめ、そして抱いてくれる存在が、求めれば直ぐ与えられるのです。その繰り返しが、子どものこの世に対する信頼感を育てる始まりなのです。会社勤務が大事であることは確かですが、乳幼児を抱えた父母に余裕を持って接することが出来る育児休暇の配慮こそ、少子化対策の大きな鍵の一つではないでしょうか。これまでのように後ろめたさを持ちながらの休暇ではなく、人間にとって、仕事と同様に大事な事に費やする休暇なのです。「育児休暇」という言葉が、とりにくくさせているならば「育児仕事」という言葉を謹呈してもいいでしょう。
 子どもを産んだ後、母親のエネルギーは、本来生まれたばかりの子どもたちに与えられるべきではないでしょうか。仕事に疲れた親が、子育てを楽しめる余裕など有るはずがありません。特に母乳を必要としている時期は、母親のエネルギーのほとんどは子育てにとられてしまいます。未来を担う子どもたちを育てるという仕事が、片手間では出来ないことを認識すべきです。そうです。「育児仕事」は、社会の大事業なのです。父母だけに任せておいて良いはずがありません。行政や民間の育児支援の取り組みが本当に重要です。そして、育児に疲れた母親を癒す場所も必要です。各地域にある「子育てひろば」は、育児の同輩や先輩との交流を通して、明日からの育児に大きな勇気を与えてくれるでしょう。時にはインターネットで子育て情報を仕入れたり、メールを介しての交流も有用かもしれません。さらに、父親が育児を気遣ってくれる言葉や行動を示してくれたら勇気百倍です。
 子どもは保育所で生後3ヶ月から、かつ夜遅くまで預かりますよ(延長保育)。病気になったって大丈夫。病気の子も預かりますよ(病児保育)。お母さんは気にしないで会社のため、社会のために頑張ってくださいよ。・・・・子どもを預かる事も、子育て支援の大事な一面であることは確かです。子どもが急病の時に、会社を休めず「病児保育があって本当に助かった。」という経験もよく耳にします。しかし、預かり過ぎて、子どもと接する時間がほとんどなくなってしまったらどうでしょう。子育ての大変さや楽しさも味わう機会も失ってしまいます。あくまでも子育ての主役は親なのです。子どもだって、早くお母さんに抱っこされたいし、病気の時こそお母さんにそばにいて欲しいのです。
 子どもの立場に立った子育て支援こそ目指すべきではないでしょうか。つまり、仕事をしていても、産後一年間は子育てに専念していいですよ。母乳も充分にあげてください。そして、子育ての楽しさを十分味わってください。勤務は1年間休んでも、あるいは50%勤務でも、席は空けておきますよ。会社にとっても、それが人材育成という将来に対する大きな資産なんですから。愛情深く育ててあげてくださいね。会社に復帰してからも子どもが病気の時は、ペア勤務態勢で応じましょう。二人で一人の仕事を受け持って、緊急時には気兼ねなく子どもの看護が出来るようなシステムは良いですね。会社も頑張りましょう。子どもは病気の時こそ親の看護を必要としているのです。元気になったら親が愛してくれているという自信を持って子どもは保育園に帰って行くでしょう。子どもの心が安定していると親も仕事に頑張れるものです。子どもが幸せな社会。親が子育てを楽しめる社会。次の子どもを不安なく生める社会。子育て中の親子を、愛情を持って受け入れてくれる社会。子どもの権利として、必要なワクチンはすべて無料で接種してくれる社会。更に、一人一人の人間を大事にしてくれる社会。それこそ少子化なんか飛んでいけの社会です。
      
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