子供の発疹症いろいろ   

 身体に発疹を伴う病気はたくさんありますが、そのたびに心配なものです。今回は、外来でよくみる発疹症について勉強しましょう。
突発性発疹症
 一番有名な発疹症です。2、3日の高熱に続いて全身にベタッとした、不整形の発疹が出現します。原因となるウィルスは、最近ヒトヘルペスウィルスと判明しました。生まれて初めての発熱であることが多いため、親はビックリしますが、予後は良好です。時に、大泉門がはれることがあります。
麻疹 (はしか)
 高熱を伴った3日間ほどの風邪症状(咳や鼻水)に続いて、耳の前や首に赤みの強い発疹が現われ全身に拡大します。発疹は赤黒くなって当分残ります。経過は7〜10日ですが、時に肺炎や中耳炎、まれに脳炎をおこします。脳炎は、死亡したり後遺症を残すことがあるので、出来るだけ早めにワクチンを受けて予防しましょう。
風疹 (三日ばしか)
 妊娠初期にかかると、白内障や心臓奇形を持った子供を出産することがある誰もが知っている発疹症です。名前は三日ばしかですが、はしかと関係はありません。発疹は顔から出て全身に広がります。子供がかかると、3、4000人に1人の割合で、血小板が減って、出血し易くなる血小板減少性紫斑病を起こすことがあります。また、4〜6000人に一人脳炎や髄膜炎を合併します。
伝染性紅斑 (りんご病)
 「りんごのほっぺ」を特徴とする、発疹が出現します。手足にも斑状の淡い発疹が見られます。発疹は、7〜10日で消えますが、時に日光や温度の刺激で再発して、長いと三週間も出没することがあります。関節痛が主な症状ですが、妊婦が感染すると、流産や死産をすると言われています。


突然の発疹は本当に心配だよね

その他、溶連菌感染症や風邪のウィルスで、名前のつかない発疹症もたくさんあります。発疹は見ないと診断できません。早めに受診して不安を解消してください。

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