アレルギー児の予防接種について  

(1)風邪とアレルギー
 インフルエンザの予防接種も終わり、冬風邪に対する万全の準備も整ったことと思います。予防接種の効果についてはいろいろ言われますが、迷いながら接種をしそこなった人も多かったのではないでしょうか。しかし、風邪は万病の源。罹らないに越したことはありません。特にアレルギー児にとって、風邪のウイルスはいろいろ影響を与えます。喘息発作や蕁麻疹の引き金になったり、湿疹を増悪させたりします。
(2)予防接種とアレルギー
 ところで、アレルギー児が予防接種を受ける場合に、あたかも副作用が出やすいように考えられがちですが、本当のところは分かっていません。問題となる予防接種としては、インフルエンザ、ジフテリア-百日咳-破傷風三種混合、麻疹(はしか)そしておたふくかぜワクチンでしょう。
(3)問題となるアレルギー疾患
 気管支喘息と食物アレルギーが予防接種の影響を受ける可能性があります。
   《気管支喘息》
 良く知られているのは、インフルエンザワクチンが喘息発作を引き起こすという報告です。また、このワクチンは、人や動物で気管を感じ易くさせるとも言われています。しかし、実際にインフルエンザにかかった場合も、もちろん喘息発作の引き金になるのです。
   《食物アレルギー》
 鶏卵の成分を含む麻疹やインフルエンザワクチンを接種する時に鶏卵アレルギー児でどうするかが問題です。卵を食べてショックを経験した子供では、当然慎重に検査(皮膚反応)をして接種する必要があります。鶏卵アレルギーがあると言われているアトピー性皮膚炎の子供で、適当に卵製品を食べ特に問題のない場合は、心配ないと考えて良いでしょう。特に、今年度のインフルエンザワクチンは、技術の向上により鶏卵成分を更に少なくすることに成功したそうです。体調が良ければ出来るだけ予防接種を受けましょう。身体が弱い子ほど本当は必要なのです。

今年のインフルエンザ流行予想

 インフルエンザ流行には、2つのピークがあると言われています。普通は、十二月の初旬から中旬にかけて。2回目のピークは、冬(正月)休みが明けて一月後半から二月にかけてで、三月末には消退します。ただし、昨年度は例外で一九九○年十二月までは流行が見られず、年が明けて一月に入ってから流行が始まり、二月中旬にピークが一つだけありました。さて、今年はどうなるのでしょう。型予想としては、A /ソ連型あるいは B 型が有望です。

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