小児科受診心得   

 猛暑の続いた今年の夏も終わりに近付き、残暑の日々が続いています。高い熱を伴った夏かぜも、今年は昨年より多かったと思います。子供の異常に気付いた時、親や家族にとってこれほど心配なことはありません。しかし、あわてて連れて来られたおばあちゃんに「いつからお腹を痛がったの?」と聞いても「さあー、いつからやろ。」とその朝、お母さんからあずかった子供の様子がハッキリしないこともまれではありません。
 今回は、子供の主治医が親や家族というお話をします。
赤ちゃんは無口だけど
 当然ですが赤ちゃんは、言葉が話せません。色々な泣き声で身体の状態や気持ちを表現します。新米ママにとってはその区別もむずかしいと思います。赤ちゃんの情報は、いつもと較べて泣き方が違う、動きが少ない、顔色が悪い、身体が熱い、食欲がない、笑わないなどちょっとした変化をお母さん(家族)が感じて初めて得られます。その意味で、お母さんは赤ちゃんの一番の主治医です。赤ちゃんは、言葉以外の色々な表現で異常を訴えているのです。「おかしいな。」と感じて、お母さんや家族が子供を病院へ連れてくることから診断が始まります。
お父さんはアッシー君か    
 最近は週休二日制が定着したせいか、土曜日はお父さんに連れられて受診する子供も多くなりました。時には赤ちゃんを連れてこられて、こちらの質問によどみなく答えられる尊敬すべき(私の昔を考えたとき)お父さんもいます。しかし、そんなお父さんばかりではありません。


 むとう先生
   「いつから熱あるんや?」
 父親「わあー、聞いてこんかったわ。」
   「おまえ、いつから熱出たんや。」
 2才の息子
   「わからん。」

 くわしい情報は病気診断への第一歩です。時には、隠れていた大きな病気が見つかることもあります。忙しいお父さん(時にはお母さん)も、子供と病院へ来る時は情報満載でお願いします。


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