子育て奮闘記

北陸の猛暑も、雨で一段落というところでしょうか。全国では、熱中症で亡くなられた方も報道されていました。アメリカでは数百人の死亡者がいたようですから規模が違いますが、自分の体力を過信しないように暑さには要注意でいきましょう。
 さて今月のマンスリーニュースは、六人のお子さんを育てられているお母さんに、今問題になっている少子化について、あるいは日々の子育てについてご意見を頂きましたので一緒に考えてみたいと思います。


少子化について思うこと   A・H

 私たちには6人の子供がいます。上は10歳、下は3ヶ月です。もともとはそんなにたくさん授かるとは思っても見なかったのですがいつのまにか増えていました。
 子供が多いと肝っ玉母さんというか、おおらかにとられがちですが毎日が慌しく、家事も育児も仕事も満足にできず、いらいらして怒りっぱなしで、眼も行き届かないのにいろんな事をあれやこれやと心配して悩むのは子供が多い人も少ない人も一緒だと思います。それでも子供の事に関する悩みを相談したり、ストレス解消に愚痴をこぼせるのはその子供を通して知り合った人たちなので、子供には苦労だけでなく、人間関係までちゃっかりもらっちゃったなあと感謝するこのごろです。いろんな年代、職業、環境、と今までだったら知り合うことがなかったような人たちが一番今の自分の気持ちをよくわかってくれる相手になってくれていることは不思議です。子供の多い分だけ、私たちには自分一人の生活では得られなかった人たちとの出会いは確かに多いだろうと感じています。

 6人の子供たちも一人一人個性的で、どう対処してよいか本当にしょっちゅう悩んでいますが、喜びも悩みも疲れも楽しみも洗濯物や部屋と同様ごちゃごちゃの中、突っ走って生活しています。
 今、少子化とよく言われていますが、確かに子供を連れて生活するには大変な世の中だと思います。子育てはやはりまだ母親が中心で、その上働いていくにはなんらかのサポートが絶対必要です。今は核家族も多く、おじいちゃん、おばあちゃん世代も仕事を持つ身だったり、または子育てを終えて自分探しというか楽しみたいこともたくさんあると思います。でも、保育所なども病気の時は対処できないし、そうなると仕事をもち続けるのはかなり難しいです。
 父親にしても昔よりは協力的になったといわれますが、まだまだ職場はそのようなことを認めてくれるのは少ないと思います。この不景気の中、どこの会社も生き残りを懸けているときに仕事より家庭をとるという人をおいておくほど確かに甘くはないのも当然でしょう。
 しつけに関しても、以前よりも外で、よその子を叱る、ということがなくなってきたようです。たしかに他人を叱る、というのもパワーがいるし、誰だってしたくないと思います。近所や地域の人間関係が希薄になっている分、母親が一人で責任をもたなくてはいけないと思うとかなりつらいですし、また、そのまんま本当に常識がないことを気付かないこともあります。自分一人の中では当然、と思うことがある人には意外、ということもたくさんのひとと触れ合わなければ気付かないこともあると思います。
 子供たちにとっても今は大変に生活し辛い時代でしょう。世の中はやはり大人中心で、車も多く、まわりには楽しそうなもの、刺激的なものがあふれています。娯楽施設もほとんど子供と言うよりは若い年代のおとな向けで秘密基地をつくれるようなすてきに無駄な場所も時間も少なく、漫画や歌、服もおとなが楽しめるものに子供がひきずりあげられがちなように感じます。
 私たち世代は、努力すればなんでも出来るという感じで、勉強、仕事を選んだりしてきて、楽しいこともたくさん経験して大人になったとおもうのですが、子育て中は自分一人の思いではどうにもならないことがたくさんあることに気付きます。人間関係も、世の中のことも。そしてその結果、子供を多く持たないことを選択する人が多くなってきたということは、少子化とは避けられないことなのでしょうか。
 でも、理由がそれだけならばあまりに今が中心で寂しいことではないでしょうか?
 上の時代から引き継がれてきて今があるように私たちももっと先の時代を考えて生きていかなければいけないのでは?と思います。自分たちの下の世代が生きていきやすいように今の世の中をバランス良く見ていくには?今はすぐかなわなくても一番大事に考えていかなければいけないことは?
でも、やはり今は個人主義というか私も含めて自分のことだけ考えるのが当たり前というか精一杯の世の中なのでしょうか・・。
 草原を根っこも残さずに食い散らしてさらにおいしいところを目指して移動しているような動物になったような気がします。
 少子化を考えると、自分の生活だけでなくいろんなことにアンテナをはって生きていかなくてはと感じます。なぜ?少子化は問題なのか?老後を支える人がいないと何故だめなのか?労働人口が減るとどうなのか?国の力が落ちると言うことは?世界のなかでの日本の立場は?経済的にも物理的にもある程度の立場を保つには?その国から私たちがうけている恩恵は?果たさなくてはいけない義務は納税のほかには?勉強は?
 なんだか頭の中がこんがらがってきます。今日のおかずだけでも迷うのに。                               (つづく)


 人間が生まれ成長し、子供を産んで育てる。有史以来繰り返されてきたことが、自分に回ってきてみると本当に難しい。「子供を育ててみて、初めて親の気持ちが分かる。」とはよく言うことですが、実感です。でも、「自分はこんなに親に心配かけたかなー」と、案外昔のことは忘れているものです。私も5才頃、従兄弟と相撲をとっていて足を折り、その夜両親が心配そうに会話していた記憶があります。翌日から毎日母親は私をおんぶして接骨院へ通ってくれました。親にすれば、びっこになるんじゃないかと心配で一杯だったに違いありません。子供をたくさん持つことは、その心配が何倍にもなるのですから大変です。
 今回、ご意見を書いていただいた A・Hさんは、子育てに奮闘されていますが、その大変さがヒシヒシと伝わってきました。次回のマンスリーニュースにもつづきを載せさせて頂きます。読まれてご意見がありましたら、お聞かせください。

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