小児気管支喘息の治療と管理

2026.02.04
  気管支喘息(喘息)とは、風邪やアレルギー反応によって気管支の収縮が起こり、呼吸、特に息を吐く時に喘鳴(ゼーゼーやヒュウヒュウ)を伴う病気です。この時、気管支は縮こまって狭くなっており、子どもは息苦しさを訴えます。息を吸う時に喘鳴を認めることもありますが、この時は喘息ではなく気管支に異物が入った可能性があります。いずれにしても、呼吸が苦しいので、早めの診察が必要です。肩で息をしたり、????(クチビル)が蒼白な時は、呼吸困難は重症ですから救急車を利用してください。
 喘息でも、全員が重症なのではなく、子どもによっていろいろです。症状が出てくる年齢もいろいろです。2歳前から喘鳴を認め、その後、喘鳴がないこともあります。この場合、Rsウィルスという風邪のウィルスが原因のこともあります。このウィルスは新生児が感染すると重症になり、命を取られることもあるので、出産間近のお母さんにワクチンを投与して、子どもがかからないように免疫をつけて生まれる試みが始まるところです。妊婦の方は是非このワクチンを受けてください。
 Rsウィルスに感染して、喘鳴が一回で終わらずに時々繰り返す子どももいます。2歳前から出現した場合は、「乳児喘息」とも言われ、子どもの喘息発症の引き金になることもあります。これには生まれつきの体質(アレルギー体質)が関係しているのかもしれません。
 喘息治療の原則は、咳や喘鳴をいかに抑制するかにかかっています。子どもの生活において重要な治療原則は、運動時の咳や喘鳴(運動喘息)を抑制し、心置きなく走り回ることが出来ることが目標です。1年に数回のみの軽い喘鳴を認めるような軽症の場合は、気管支を広げる薬や吸入、アレルギーを抑える薬をその時に短期間服用するだけでその環境を得られるでしょう。月に一回以上の割合で、咳や喘鳴を認める中等症の場合は、運動喘息も出やすい状況ですから、内服薬や吸入、アレルギーを抑える薬などを毎日続ける必要があります。この場合、吸入薬は、ステロイドと気管支拡張剤を含んだものが効果が大きいです。当院では、アドエアというのを使っていますが、何種類かあります。
 言い換えれば、小児喘息治療の原則は、咳や喘息発作をゼロにして、子どもの生活を喘息を忘れられる状態にすることです。そのためには適当な内服薬や吸入剤を使用する必要があります。適当な薬剤によって症状を抑えることによって、気管支が咳や喘鳴が起こりにくい状態を長期に継続する事、つまりゼロ状態にする事で気管支の感じやすさを低下させる事が出来ると考えられます。この治療によって大人まで続きやすい症状を、小児期だけでストップ出来る可能性もあります。その為には、治療の継続を年単位で考える事が必要です。