突発性発疹症について
突発性発疹症(突発疹)は、生後初めての発熱の主な原因として有名な、ウィルス感染による病気です。実際に調べた先生の報告では、初めての発熱の64%がこの病気でした。
罹りやすい年齢は、1才未満が98%を占めます。とくに生後5ヶ月から8ヶ月がピークです。1才から2才は2%で、2才以上で罹ることはまずありません。

病気の経過ですが、突然の高熱(38度~40度)が3~4日続いた後、熱が下がると同時に麻疹に似た発赤疹が全身に出現します。発疹が出る時に患者さんの機嫌が悪くなります。発疹は全身に広がった後、1~3日で薄くなり消えていきます。普通は咳や鼻水などの症状は認めず、発熱2日目位から下痢になることがあります。発熱に伴って、熱性ケイレンを起こしたり、時には、頭のてっぺんにある大泉門が腫れるので、髄膜炎を疑って紹介されることもあります。
口の中の所見として、ノドの奥の両側にブチブチがみられます。これは永山斑というもので診断の助けになりますが、見慣れないとなかなか判断は難しいです。永山斑は、発疹が出る前の患者さんの72%に出現すると言われます。
突発疹は、発疹が出てしまえばもう終わりで予後も良好ですが、まれに気管支炎や下痢が続くことがあります。

原因となるウィルスは、最近の研究から、HHV-6(ヒトヘルペスウィルス-6)が指摘されています。しかし、エコーウィルス16、18、25型やコクサッキーウィルスB5型なども、突発疹様の発疹を出すことが分かってきました。突発疹の原因ウィルスが一つではないということです。

赤ちゃんが初めて熱を出したときは、親として本当に心配ですが、多くはこの病気が原因です。慌てずに赤ちゃんの様子を見てあげましょう。
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