「すてきなあなたになるために」

 9月も半ばを過ぎようとしています。今年の夏は冷夏でしたが、その反動が最近の猛暑に跳ね返った感じです。でも、その猛暑も長続きしないで雨が降ったり、早い時期から台風に見舞われたり、本当に変な夏でした。9月の連休も日本全国色々の天気です。予定している場所が晴れならラッキーと叫んでください。
 さて、今月のマンスリーニュースは、昨年同様「日本外来小児科学会」の参加報告をしたいと思います。

  仙台で外来小児科学会

今年の外来小児科学会は、8月30日、31日の2日間、宮城県仙台市で開かれました。3回目の参加ですが、夫婦で参加出来る唯一の学会です。
 29日の朝、小松空港を飛び立ち一路羽田へ。東京から東北新幹線に乗り換えて、昼頃仙台駅に降り立ちました。「うー、暑い!」
 東北はまだ夏でした。上着を手に汗をかきながら、昼飯はどうしようかと言うことになりました。「かの有名な仙台の牛タン定食を食べよう」と言うことでタクシーに乗り込みましたが、運ちゃんは「そんな店知らん」と。有名店のなずなのに。メーリングリストで情報を得て、確かに美味しいと折り紙付きの店ですから簡単には諦めきれません。無線で聞いてもらうとやはりありました。どうにかたどり着きましたが、昼時なのに店はガラガラ。おかしいと思いながらも注文。親父さんにいろいろ話を聞いてみると同じ名前の店がもう一軒あるとのこと。「えー。間違えたのか」と思ったら、そこからのれん分けしてもらったよう。ちょっと安心。食べてみたら本当にうまかった。ボリュームいっぱいの牛タン塩焼きと煮込み、麦飯、テールスープを跡形もなく平らげていました。
 仙台には牛タンの店が80軒もあるそうです。良心的な店、素材がもう一歩の店とやはり色々。もし、仙台に行くような時はお聞き下さい。牛タン定食のノウハウをお教えしますよ。

  ワークショップ参加

 30日昼から、2人で恒例の第1日目のワークショップ(WS)に参加しました。沢山のWSの中から、今年はこれだと決めていた物があったので、事前に家内と参加することを登録してあったのです。当日参加も可能だったので、会場に入りきれないほどの盛況になってしまいました。
 WS 「すてきなあなたになるために」(心を開き心を結ぶ人間関係づくり)・・・何と魅力的な表題でしょう。これ以上魅力的になってどうしようと言うのでしょうか。
 会場は、所狭しと机が置かれ、6人づつのグループに分けて座るように設定してありました。何人かで参加してもそれぞれ別のグループに入るようにくじ引きで席を選んだのです。WSを受け持つ高塚人志先生が紹介されました。鳥取県にある赤崎高校の体育の先生です。さー、これから何が始まるのか興味しんしんです。
 一つの机にたまたま座り会った初対面の6人。向かいの人と見つめ合ってください。しゃべらず、ただ見つめ合う3分間。おしまいの合図がなんとまちどうしかったことでしょう。それも私のお相手はうら若き女性だったのですから目を合わせたりそらしたりドキドキでした。でも同い年の男性と向き合うより恵まれていたかも。そんな2人でしたが、いろいろな手遊びやゲームをやるうちにだんだん慣れてきました。極め付きは、「ねー、聞いて聞いて。」と言いながらグループの5人にお話を聞いてもらうゲームです。聞き方も、順番が進むにつれて上手になっていきます。相手の眼を見て、あいずちをうちながら聞いてあげられたら、話し手もいい気持ちでお話しできるはずです。でも普段はどうでしょうか。医者は患者さんの顔を見ないでカルテを書きながら「ふんふん」しているだけではないでしょうか。看護師さんも事務員も真剣に耳と眼を傾けてあげているでしょうか。

  赤崎高校にて

 赤崎高校では、こんな授業を高校生にしているそうです。同じクラスにいながらどんな人間かも知らないで卒業してしまう事が多い最近の状況です。人間関係を学ぶこの授業は、お互いが理解しあうだけでなく、自分という人間が社会に役立っているという「役立ち感」を生み出します。更に授業の延長として幼稚園や保育所、老人ホームへ出向いて子ども達やご老人とコミュニケーションを持つことは、この「役立ち感」を更に強固なものにしてくれるそうです。子ども達が信頼してくれる、頼ってくれる。老人が「元気かい。」と一言かけてくれる。誰だって嬉しいはずです。
 「人間っていいなー。」
 「生きるって楽しいなー。」
 こんな体験を、高校生になってからではなく、中学生、小学生、いや幼稚園や保育所にいるとき、そうだ、もっと早く、赤ちゃんとして生まれたときから親と子がコミュニケーションが上手に出来、お互いの意志を尊重し、信頼しあいながら成長できれば、やはり生きることが楽しいはずです。
 まあ、でも焦らないで、少しずつこんな授業が、日本全国に拡がることが大事だと思いました。
 人と人のコミュニケーションがいかに大事か、という高塚先生のお話は「うん、そうだ。そうだ。」と当たり前のことのようにすんなり聞くことが出来ました。でもそれが不足しがちな日本の状況です。いや、よく考えてみると我が家の状況もそんなもんです。身近な関係、そうまずは我が家から眼と眼を合わせて、「信じているよ。」が第一歩なんですね。

  高塚人志先生ホームページ http://hp1.tcbnet.ne.jp/~taka255/



   
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